2017年9月26日火曜日

Low Interval Limit と左手の練習 ~何故、響きがぶよぶよするのか?~

Low Interval Limit と左手の練習
~何故、響きがぶよぶよするのか?~

■コードの基本的な押さえ方を覚えて、色々と実際に弾いてみると、例えば譜例1のように、音が重たくて、ぶよぶよした感じになりますよね?いい感じとは言えない響きです。




譜例2のように、上の音域で弾けば大丈夫なのに、これは何故でしょう?





■実は、音程ごとに適切に響く「下限」があって、これを「Low Interval Limit」と呼びます。それを下回ると、響きが重たくなったり、ぶよぶよしたりします。


*オクターブは Low Interval Limit なし
*特殊な効果を狙う時は、敢えて Low Interval Limit を無視する事もある
*ピアノは自分で音程を作る楽器ではないので、多少下回っても大丈夫な場合もある。感覚的に処理で構わない。
*とりあえずは、短3度、長3度を覚えよう。

■譜例1のGm7は、3rdの音が Low Interval Limit を下回って、響きが重くなってしまっています。
3rdの音をオクターブ上げて、改善します。それぞれの響きの違いを聴き比べて下さい。







■この性質を知って、バラードなどでよく出てくる次の形を練習しましょう。(左手)


色々なコードで、この(1)-(5)-(7)-(3)の形と、(1)-(5)-(3)-(7)の形を練習して、実際の曲にも応用しよう。

楽しみましょう!

2017年9月19日火曜日

セカンダリー・ドミナント

セカンダリー・ドミナント

定義:以下の3項目で構成されます。

基本:ダイアトニックコードに解決する7thコード。ただし、以下は除外します。 
除外1:V7はドミナントなのでセカンダリー・ドミナントに含めません(そりゃそうです)。
除外2:VIIm7(b5)に解決する7thコードはIV#7で、これはそのKeyの長音階の上に無いルートなので、含めません。

つまり、セカンダリー・ドミナントは、以下の5つになります。 
I7, II7, III7, VI7, VII7

そもそもダイアトニック・コードとは何か。そのKeyの長音階の上の音で作った音ということは、その調性の中にいるということです。まずはこれを意識しましょう。

セカンダリー・ドミナントは、どれも、長音階には無い音が含まれている。部分的に見れば転調です。だけど、ダイアトニック・コードに戻って来るのだから、元の調性の中にまだいるって見立てて、音楽に動きと色味を与えてくれるものと考えましょう、というものだと思います。7thコードは動きを作りますからね。

こうやって、音楽的な意味を「実際に音を出しながら」考えるのは、重要です。
これをやらなかったら、算数になってしまいますからね。

5つあるセカンダリー・ドミナントの、最初の一手として考えて差し支えないコード・スケールと、それぞれの解決先を記します。解決先のコードを見れば、コード・スケールを導くのは簡単ですよね。

I7(Mixo.) → IVmaj7
II7(Mixo.) → V7
III7(Alt.) → VIm7
VI7(Alt.) → IIm7
VII7(Alt.) → IIIm7

この5つのセカンダリー・ドミナントそれぞれに「味」、「感じ」があります。
それが身体の中に入ったら強いです。

そう、これが大事なんだ。
それぞれのセカンダリー・ドミナントの「感じ」が分かること。
それが見えたら「身に付いた」ってことですよ。

楽しみましょう! 

2017年9月12日火曜日

ピアノという楽器の音色はペダルを踏んでいるときの音色。

ピアノのダンパーペダル(以下「ペダル」)。
僕は、積極的に踏むほうかもしれません。

あの、足で掴んだペダルが、ダンパーを操っている感覚が、大事なように思います。
実際にピアノの中の様子を見ればすぐに分かりますからね。

考え方としては、ピアニストの横山幸雄氏の影響を、僕は大きく受けているように思います。

横山氏は自らの著書(*)で次のように述べいます(要約)。

ピアノという楽器の音色はペダルを踏んでいるときの音色。踏みかえるのは、不快な響きにしない為。

(*)『ピアノQ&A136 上巻』横山幸雄著 p.140

是非、本を手に取って読んでくださいね。

これに当時の僕はとても影響を受けました。
ハーフペダルとかも、もう、面白くて。。僅かに踏んで響きをちょっと足すとかもね。

他にも、

「よく弾けるようになるまでペダルは使ってはいけない?」 (同p.146)

という質問に対して、遠回しではありますが「ペダルも使った方が良い」「どうしてもペダルを使わずに練習する事情がある場合も、ペダルを踏んだらどういう音になるかを常にイメージする」と結論しているように僕には読めます。

また、

「バッハの曲にペダルを使ってはいけない?」
という質問には、バッハの時代にはペダルがなかったからという理由だけでペダルを使わないのはナンセンス、という主旨の回答をされています。(同p.154)

とても参考になる本ですよ!
『ピアノQ&A 136』横山幸雄

一方で、僕の敬愛するグレン・グールドはどうでしょう。
もうね、ペダル大っ嫌いなの。グールドは。
『グレン・グールド発言集』p.41

どういう音が欲しいかで、考え方も全く変わってくるのかもしれませんね。

いずれにしても、決め付けるのではなく、耳で聴いてね、自ら決めていきたいですね。

『グレン・グールド発言集』

楽しみましょう!


オルタード王子。

Bill Evans(ピアノのほう)って、聴けば聴くほどオルタード王子だよなぁって思う。。あとm7の音使いに急にモードっぽい音使いが出てきて(平気で13やb13が目立ったところに出てくる)ドキっとさせられてたんだなって。。久し振りに研究しちゃいました。